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ヘンドリック・ホルツィウス『ミネルヴァ』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年04月29日(金)12時43分 | 編集 |
2011年4月29日(金)


目次
1. 知恵の象徴フクロウ
2. 楯アイギス
3. 原題


今回取り上げる作品は、ヘンドリック・ホルツィウス作『ミネルヴァ』です。

2011年4月29日ヘンドリック・ホルツィウス『ミネルヴァ』612

1. 知恵の象徴フクロウ


ミネルヴァは、ギリシア神話ではアテナに相当します。

オランダの画家ヘンドリック・ホルツィウス(1558-1617)は、官能的であると同時に知的な面持ちのアテナを描きました。

アテナは戦略を司る以外に、知恵の神でもあるのです。

アテナは、最高神ゼウスの頭から生まれて来ました。
それにより、最高の知恵を身につけていると言われているのです。

アテナの向かって左、右膝の上あたりに描かれている鳥は、フクロウです。
フクロウは、アテナの聖鳥です。


2. 楯アイギス


アテナが左腕を載せている楯は、アイギスと呼ばれています。
アイギスは、ヘパイストスが作成して、父ゼウスがアテナに与えた防具です。

楯に描かれているのは、メドゥーサですね。
なぜアテナの持っている楯にメドゥーサが描かれているのかというと・・・、

元々メドゥーサは、男神ポルキュスと女神ケトから生まれた美しい女神でした。

ところがその美貌を誇る余り、よりによって美しき女神であるアテナよりも美しいと言ってしまったのです。

アテナの逆鱗に触れたメドゥーサは、髪を蛇に変えられ醜い化け物になってしまいました。
しかしメドゥーサに侮辱されたアテナの怒りは、その程度では収まりません。

後にメドゥーサは、アテナの全面協力を得たペルセウスによって、首を切り落とされることになります。

アテナは傲慢なメドゥーサにトドメを刺すために、ペルセウスがメドゥーサを退治する際に、アイギスを貸したのです。

頭に蛇が何匹もいるメドゥーサの首を見た者は、瞬時に石へと姿を変えられてしまいます。

アテナはこの魔力を利用するために、ペルセウスからメドゥーサの首を譲り受け、アイギスに嵌(は)め込んで使用するようになったわけです。

このあたりの話は、ペルセウスを描いた絵画を取り上げる時に、改めて触れる予定です。

ギリシア神話においては、美女は必ず不幸になります。
そして、神を冒涜する言葉を吐いた者は、絶対に許されません。

神を侮辱した者は、完膚なきまでに追い詰められ、身を滅ぼすことになるのです。

人間は、神には勝てません。
いや、むしろ、勝ってはいけないのです。

特に美貌に関しては、人間の女性が女神を上回ることがあってはならないのです。
これが、ギリシア神話全体を貫く思想と言って良いでしょう。

繰り返しますが、ギリシア神話においては美人は必ず不幸になります。
この点に何か意図的なものを感じるのは、私だけではないはずです。


3. 原題


ヘンドリック・ホルツィウス(Hendrik Goltzius)が描いた『ミネルヴァ』は、英語ではMinervaと言います。

この作品は、オランダのハールレム(Haarlem)にあるFrans Hals Museumで見ることが出来ます。





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