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アラン・ドロン主演映画『太陽が知っている』を見た感想
記事URL  カテゴリ | 外国映画 | 2012年10月06日(土)19時43分 | 編集 |
2012年10月6日(土)


目次
1. 背中への執拗な愛撫
2. 背後から抱かれる快感
3. 釈然としない殺害理由


1. 背中への執拗な愛撫


9月29日(土)にBSTBSで、アラン・ドロン主演の映画『太陽が知っている(原題:La piscine)』をやっていました。

原題のLa piscineはプールという意味で、邦題とは無関係です。

『太陽が知っている』という邦題は、恐らく1960年に公開されたアラン・ドロン主演の映画『太陽がいっぱい(原題:Plein soleil)』を踏まえたものと思われます。

今回の『太陽が知っている』は1969年に公開されています。

作品は4人の登場人物の関わりを描きます。

アランが演じるジャン=ポールには美貌の妻マリアンヌがいますが、少しずつ二人の間には溝が出来つつあるという夫婦関係になっています。

マリアンヌを演じているのはロミー・シュナイダー(Romy Schneider)です。

アランとロミーは私生活でも婚約する仲でしたが、1964年に婚約破棄しています。

この映画の公開は1969年ですので撮影時には2人は既に破局していたわけですが、役柄上夫婦としてキスをしたり抱き合う場面も描かれています。

監督のジャック・ドレー(Jacques Deray)は男性が女性の背中を愛撫することで女性に快感をもたらすことに大きな関心を抱いているようで、ジャン=ポールは、マリアンヌの背中に多少爪を立てて触ってみたり、榊のような状態の葉っぱを使って背中を刺激してみたりという官能的な場面が盛り込まれています。

『アリー my ラブ』のシーズン3だったと思いますが、主役のアリーが「ここ数年、私の背中を撫でてくれる男性などいないのよ。」と言う場面がありますが、女性にとって男性に背中を愛撫されるのは非日常的な快感を得る方法なのかも知れません。

自分で背中を愛撫するのはさすがに難しいですからね。

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2. 背後から抱かれる快感


あとの2人の登場人物はハリーとペネロープです。

モーリス・ロネが演じるハリーはマリアンヌのかつての愛人で、一応2人の関係は終わってはいますが、ジャン=ポールの別荘に遊びにやって来てくるぐらいの友人関係は続いています。

ジェーン・バーキンが演じるペネロープはハリーの娘で18歳という設定です。

ペネロープはどことなく影のある存在で最終的に何か大きな鍵を握ることになるのかしらと思って見ていましたが、結局これと言って目立った動きもないまま別荘を後にします。

ハリーはかつての愛人マリアンヌが夫のジャン=ポールと上手く行っていないことを見抜き、ジャン=ポールが不在時にマリアンヌと肉体関係を結ぼうとします。

マリアンヌも夫以外の男性に性的刺激を求め背中の大きく開いたドレスを身に着けてハリーと会い、背中のホックをハリーに留めるよう頼みます。

もちろんマリアンヌにとってはホックを留めてもらうことが目的ではありません。

その意を汲み取ったハリーはマリアンヌの背後に立ち脇の下から両手を差し入れ、マリアンヌの胸を揉みしだきます。

このあたりは一方が会話の中で言外の意味を仄(ほの)めかし、もう一方もその真意を即座に理解するという大人の男女が愛の意志を交換する様子が丁寧に描かれていて秀逸な場面であると言えるでしょう。

マリアンヌが情事にふけっている一方で、夫のジャン=ポールは、マリアンヌの目を盗んでペネロープと懇ろな関係になろうと画策します。

しかしペネロープが18歳という年齢設定になっているためジャン=ポールとは年齢的には不釣合いで、結局、監督は2人の間では官能的な出来事は起こらなかったという描き方をしています。

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3. 釈然としない殺害理由


こうして複雑な男女関係が描かれる中、夜遅くにジャン=ポールがプールでハリーを溺死させるという殺人事件が起きます。

警察の現場検証ではハリーが酔った勢いでプールに転落した事故死だろうという結論になったのですが、敏腕刑事はジャン=ポールやマリアンヌが殺害したのではないかと疑って尋問を繰り返します。

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マリアンヌはジャン=ポールとの会話の中から事故死ではなく殺害犯人がジャン=ポールであることに気づきますが、警察に突き出すことはせずお互いに事故死であることを主張する意志を固めるところで映画は幕切れとなります。

今ひとつジャン=ポールがハリーを殺害した動機が不明瞭ですし溺死のさせ方にしてもあまりに稚拙で、現代の作品ではこうした描き方はしないだろうなと思いました。


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