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ジャン・オノレ・フラゴナール『ブランコ』
記事URL  カテゴリ | その他絵画 | 2010年12月28日(火)12時54分 | 編集 |
2010年12月28日(火)


目次
1. ロココ時代の画家
2. 秘め事
3. ミュールの意味
4. 石像の天使の意味
5. 原題


今回取り上げる作品はジャン・オノレ・フラゴナール作『ブランコ』です。

2010年12月28日ジャン・オノレ・フラゴナール『ブランコ』428

1. ロココ時代の画家


ジャン・オノレ・フラゴナール(1732-1806)はフランスのロココ時代を代表する画家です。

ロココ時代の始まりは、ルイ15世の公妾であったポンパドゥール夫人(1721-1764)が活躍した頃とされています。

その終焉はマリー・アントワネット(1755-1793)が没落していくあたりまでとされています。
フラゴナールの生涯もちょうどそれに重なりますね。


2. 秘め事


『ブランコ』で描かれている世界は実は不倫関係です。

画面向かって左に寝そべっている男性がこの作品の依頼者です。
ブランコに乗っている若い女性はこの男性の愛人なのです。

そして、向かって右側に描かれている初老の男性は女性の夫です。

夫はゆったりと腰掛けてブランコの紐を操りながら、妻と愛人との密会現場に立ち会っているという構図になっているわけです。

夫が公認している間柄ですから密会現場という言葉は相応しくないですね。
まあ、18世紀の社会通念は現代とは異なるのでしょう。

暇を持て余した貴族たちの情事というのは、このように三者間で了解がなされていた場合もあったのかも知れませんね。

花園で寝そべりながら愛人である男が見つめているのは女性のスカートの中ですね。

わざわざこんなことをしなくても、この男はブランコの女性の体を全て知り尽くしているはずです。
知り尽くしているがゆえに普通の情事では飽き足らなくなったということなのでしょうかね。


3. ミュールの意味


この作品では、ブランコに乗っている女性が履いていたミュールを空中で脱ぎ捨てている瞬間が描かれています。

これは密事の象徴です。

現代でも同じだと思いますがきちっとした身なりの女性が人前で靴を脱ぐということは、はしたないこととされています。

フラゴナールはそういった社会通念を踏まえた上でミュールが脱げた後の足を描いています。

ということは、この女は外見上は綺麗に着飾って貴婦人のように見えるかも知れませんが、性的には乱れた女であると作者は言っているわけです。

愛人の男としては、そういうはしたないことをしてくれる女の方が都合が良いんですけどね。
男の側からすると情事にはうってつけの女であるということが窺(うかが)えます。


4. 石像の天使の意味


この密会は決して公衆の面前で行われているわけではありません。

ブランコは森の奥深くに設置されています。
三人の男女は人目を忍んで戯れています。

向かって左側に描かれている石像の天使は、この場面を見た者は内密にするようにと唇に指をあてていますね。

そう、現場を見てしまった私たちが内緒にしさえすれば、この三人は何事もなかったかのように明日から生きていけるのです。

この作品が描かれたのは1767年とされています。
絵の完成時点ではポンパドゥール夫人(1721-1764)はもう亡くなっています。

彼女が確立したロココの精神は次世代に受け継がれていきました。

優雅さを基調とした画風がもてはやされた当時において、他人の情事を目ざとく見つけて触れ回るような者は品性を疑われたのでしょうね。

まあ、これはロココ時代だけでなく現代でも同じかも知れません。


5. 原題


『ブランコ』はフランス語ではL'escarpoletteと言います。
l'escarpoletteは古いフランス語でブランコという意味です。

英語だとThe Swingと言います。
この作品はロンドンにあるThe Wallace Collectionの所蔵となっています。




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