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Cornelis van Haarlem『ティタン族の滅亡』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年03月15日(火)13時25分 | 編集 |
2011年3月15日(火)


目次
1. ティタノマキア
2. ガイアの助言
3. ゼウスによる支配
4. その後のヘカトンケイル族
5. 原題


今回取り上げる作品は、Cornelis van Haarlem作『ティタン族の滅亡』です。

2011年3月15日Cornelis van Haarlem『ティタン族の滅亡』260

1. ティタノマキア


ゼウスは、父クロノスの凶気によって飲み込まれてしまった兄姉を助けるために、クロノスに戦いを挑みます。

ゼウスは、最初の妻メティスから授けられた策略を用いて、兄姉をクロノスの体内から吐き出させ、救出することに成功します。

ゼウスはこのクロノスとの戦いに勝利し、ひとまず政権はゼウスのものになりました。

ただ、ゼウスは政権を握ったとは言え、まだティタン神族を完全に滅ばしたわけではありません。
ティタン神族はオトリュス山に陣営を敷いて、着々と戦争の準備を進めています。

クロノスに飲み込まれていた兄姉達は父クロノスを許さず、完全なる復讐を誓っています。

こうした流れの中から、ゼウス政権とティタン神族との全面戦争が始まりました。
この戦争を、ティタノマキアと呼びます。

この戦争は両者ともに決め手を欠き、10年に渡る大戦争となります。


2. ガイアの助言


オリンポス山に布陣したゼウスは、膠着状態を打ち破るために祖母ガイアに助言を求めます。
系譜を示します。

ガイア→クロノス→ゼウス


ガイアは孫のゼウスに、次のような指示を出しました。

「ウラノスがかつてタルタロスへと送り込んだキュクロプス族とヘカトンケイル族を救出しなさい。そして、クロノスがかつてタルタロスへと送り込んだギガンテス族も救出しなさい。」

祖母ガイアの指示通りに、ゼウスはタルタロスへと赴きました。
そして、キュクロプス族とヘカトンケイル族及びギガンテス族の幽閉を解きました。

奈落から地上に戻ったキュクロプス族はそのお礼として、ゼウスには稲妻、ハデスには隠れ兜、ポセイドンには三叉の鉾(ほこ)を造って与えました。


隠れ兜を被ると、姿が見えなくなります。
一種の透明人間化です。

隠れ兜を被ったハデスは、敵陣営に自由に出入り出来るようになります。

ヘカトンケイル族は助けてもらったお礼として、ティタン神族を滅ぼすべく、300個の岩をオトリュス山へ投げ込みます。

オトリュス山は崩れ、居場所を失ったティタン神族はタルタロスへと落ちて行きました。

ギガンテス族も獅子奮迅の働きを示し、オリュンポス側の勝利に貢献しました。
こうしてゼウス政権はティタン神族を打ち負かし、世界の支配権を得たのです。

オランダの画家Cornelis van Haarlem(1562-1638)が描いているのは、ティタノマキアに敗れ去ったティタン神族の姿です。

画面中央では、ティタン神族がタルタロスへと落ちて行く様子が描かれています。


3. ゼウスによる支配


ティタン族をタルタロスへと幽閉した後、ゼウスたちは領土の分割を行ないました。
くじ引きの結果、ゼウスが天空を、ポセイドンが海を、ハデスが冥界を管理することになりました。

また、ゼウスは最高神の地位を認められました。
初代ウラノス→ニ代クロノス→三代ゼウスと続く争いは、孫のゼウスの代でようやく終結したのです。

但し、ティタン神族がタルタロスに幽閉されたという事実が、後にギガントマキアという戦いを引き起こすことになるのです。

ゼウスの全面的な勝利は、実はまだ先で、ヘラクレスの登場を待たなければなりません。


4. その後のヘカトンケイル族


タルタロスは、ハデスが治める冥界よりもさらに下方にあります。
死者の行く冥界よりもさらに下方の澱(よど)んだ空間が、タルタロスなのです。

ティタノマキアにおいてゼウス政権を勝利に導いたヘカトンケイル族は、タルタロスに幽閉されたティタン族を監視する役割を担って、地上から姿を消しました。


5. 原題


Cornelis van Haarlemが描いた『ティタン族の滅亡』は、英語ではThe Fall of the Titansと言います。

この作品は、デンマーク国立美術館(National Gallery of Denmark)で見ることが出来ます。





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