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ティントレット『天の川の起源』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年07月08日(金)13時29分 | 編集 |
2011年7月8日(金)


目次
1. ペルセウスの子孫
2. オナニーでは得られない快感
3. 異父兄弟イピクレス
4. ギガントマキア
5. ヘラの乳首
6. 原題


テセウスの話はまだ続くのですがいったん休止し、ヘラクレスの話を先に述べます。
今回取り上げる作品はティントレット作『天の川の起源』です。

2011年7月8日ティントレット『天の川の起源』302

1. ペルセウスの子孫


ヘラクレスはペルセウスの曾孫(ひまご)にあたります。
まずはペルセウスからヘラクレスに至る家系図を見ておきましょう。

ペルセウスはゼウスとダナエとの間に生まれた息子です。

ゼウスが黄金の雨に変身して青銅の塔に幽閉されていたダナエと性交した結果、ペルセウスが生まれたのでしたね。

ダナエについては2011年6月19日(日)の記事『アレクサンドル・ジャック・サントロン『ダナエ』 loro2012.blog.fc2.com』を参照して下さい。

そのペルセウスがエチオピア王女アンドロメダと結婚し、エレクトリュオンという息子を儲けます。

父であるペルセウスがミケーネ王となったので息子のエレクトリュオンはミケーネ王位を継承しました。

エレクトリュオンは王妃アナクソとの間にアルクメネという王女を儲けました。
ここまでの系譜を示します。

ゼウス→ペルセウス→エレクトリュオン→アルクメネ


美しい王女に成長したアルクメネは伯父であるアムピトリュオンと結婚します。
アムピトリュオンはミケーネ王妃アナクソの兄にあたります。

出陣のためにアムピトリュオンが長期にわたり不在にしている間、寂しい思いで一人寝をしている美貌の妻アルクメネに目を付けた男神がいました。

そう、ゼウスです。


2. オナニーでは得られない快感


アムピトリュオンが戦地から戻る前夜に、ゼウスはアムピトリュオンの姿に変身してアルクメネとの性交に及びます。

アルクメネの前に現れた男性は外見はアムピトリュオンそのものですので、妻アルクメネは夫が予定よりも1日早く帰還したのだと信じて疑う余地などありません。

夫が不在の間、アルクメネは熟れた体を持て余して禁欲生活を余儀なくされていました。

食欲や睡眠欲は自分一人である程度満たすことが出来ますが性欲を満たすためには相手が必要となります。

こういう場合、溜まっていくセックスの欲望を抑え切れず、自分に言い寄って来る男に身を任せて夫以外の男性とのセックスを積極的に楽しむ妻もいるのですが、アルクメネは貞淑な妻でしたので夫が戻るまでは性欲を完全に封じる覚悟で暮らしていたのです。

そんな欲求不満状態のアルクメネにとって、愛する夫とのセックスが1日早く実現したことはむしろ好都合だったわけです。

夫が予定よりも1日早く帰還したことを何か変だと感づくだけの精神的・肉体的なゆとりが、アルクメネにはなかったわけですね。

これが、数日早くアムピトリュオンが帰って来たとしたら、もしかしたらアルクメネは帰宅した夫に疑いの目を向けたかも知れません。

戦場の予定がそんなに大幅に繰り上げられることは、まず考えられないからです。

1日だけ早く帰還するというゼウスの絶妙の時間差作戦が、アルクメネの熟れた肉体をモノにする結果になったのでした。

アルクメネは夫だと信じた男性の逞(たくま)しい体に身を委ね、久しぶりのセックスを堪能しました。

ゼウスはどちらかというとセックスする気などない女性を無理やり手込めにすることが多いのですが、今回のアルクメネはセックスを待ち望んでいた人妻です。

お互いの思惑が一致している以上、ゼウスは心置きなくアルクメネの膣内に射精をしました。
この性交によって生まれたのがヘラクレスです。

ヘラクレスの母であるアルクメネはペルセウスの孫ですので、ヘラクレスはペルセウスの曾孫(ひまご)でもありゼウスの息子でもあるということになりますね。

系譜を示します。

ゼウス→ペルセウス→エレクトリュオン→アルクメネ→ヘラクレス


3. 異父兄弟イピクレス


ゼウスはアルクメネを騙(だま)した上で性交に及びました。

ただ、アルクメネは騙されたことを知りませんし、久しぶりのセックスに酔いしれて何度も絶頂に達しました。

その観点ではゼウスはアルクメネの身も心も傷ついてはいないという言い方も出来るかも知れません。

翌日、予定通り本物のアムピトリュオンが帰還し妻アルクメネと久しぶりのセックスに及びます。

ただ、アルクメネは昨日、既に夫との久々のセックスを楽しんでいますので、夫アムピトリュオンが悦んでいるほどの悦びはアルクメネにはありませんでした。

アルクメネはこの時のセックスにより、アムピトリュオンとの間にも子を成しその子はイピクレスと名付けられます。

ヘラクレスとイピクレスは異父兄弟ということになります。

月満ちて赤ちゃんが2人生まれて来たので、アムピトリュオンは妻アルクメネが双子を生んだのだと理解しました。


4. ギガントマキア


好色なゼウスの肩を持つわけではありませんが、ゼウスがアルクメネを騙してまでセックスに及んだのは自身の欲望だけが原因ではないのです。

まあ、半分以上は自身の欲望なんですけどね。

実はこの当時、ゼウスはギガンテス族と戦っている最中でした。

ギガンテス族とはクロノスがウラノスの男根を切断した時に迸(ほとばし)った血が大地に染みこみ、大地であるガイアが生んだ種族で日本語では巨人族(Gigantes)と訳されます。

ウラノス暗殺については2011年3月8日(火)の記事『ジョルジョ・ヴァザーリ『ウラノスの男根の切断』 loro2012.blog.fc2.com』を参照して下さい。

ギガンテス族はゼウスがティタン族をタルタロス送りにしたティタノマキアの際にはゼウスの味方になったのでしたね。

ティタノマキアについては2011年3月15日(火)の記事『Cornelis van Haarlem『ティタン族の滅亡』 loro2012.blog.fc2.com』を参照して下さい。

ところが、ティタノマキア後、ティタン神族がタルタロスに幽閉されたことに怒ったガイアはゼウスを滅ぼすようギガンテス族に命じます。

ガイアの後押しを受けたギガンテス族とゼウス率いるオリュンポスの神々とが覇権をかけて争った戦いをギガントマキアと呼びます。

ギガントマキアの開始後、ゼウスは神託により人間の協力がないとギガンテス族を打ち負かすことが出来ないことを知ります。

そこで、ゼウスはこのギガントマキアにおいて協力してくれる人間の子が欲しかったのです。

人間の女性アルクメネから生まれたヘラクレスは後年、ギガントマキアに参戦することになるのです。


5. ヘラの乳首


ヘラクレスの父ゼウスは神なので不死ですが、母アルクメネは人間です。
神と人間の間に生まれた子は神ではないのでいつかは死んでしまいます。

父であるゼウスは息子ヘラクレスに不死の力を与えようと考えました。
そこで、正妻ヘラの母乳をヘラクレスに飲ませることを思いつきました。

しかしヘラクレスは不義密通の子です。
ヘラがゼウスの意を受けて快く母乳を与えてくれるはずがありません。

仕方なくゼウスはヘラが眠っている間を狙うことにします。

ヘラが眠りに落ちたのを見届けた後、ゼウスは幼子ヘラクレスを天界へと連れて来ました。

そして、眠っているヘラに気付かれないように、ヘラの衣服をそっと脱がせてツンと立った乳首を晒(さら)しました。

このあたりの女性の衣服を素早く剥ぎ取る技術はゼウスにとってはお手のものです。

赤子のヘラクレスは目の前に用意されたヘラの乳首にしゃぶりつき思い切り吸いました。
その瞬間、睡眠中だったヘラはあまりの痛みに飛び起きました。

長じて怪力を誇ったヘラクレスはこの幼さで既にその片鱗を示したわけですね。

父ゼウスは息子ヘラクレスの元気ぶりを頼もしく感じたはずです。

一方、ヘラクレスは最高女神ヘラの憎しみを買い、呪いをかけられる人生をこの後、送って行くことになります。

美貌のヘラは夫ゼウスの浮気相手のアルクメネが美貌の女性であると聞いて、アルクメネから生まれたヘラクレスに対して敵愾心を抱いたのです。

そのヘラの抱いた敵意はヘラクレスの人生全般を支配していくことになります。
なお、ヘラクレスとはヘラの栄光という意味です。

ティントレット(1518-1594)が描いているのはヘラクレスがヘラの母乳を力強く吸っている場面です。

向かって左の豊麗な美女がヘラです。

向かって右で赤いマントをつけて赤子のヘラクレスを抱いているのがゼウスです。
ゼウスの下にいるのは鷲ですね。

ヘラクレスがあまりに強く吸ったためヘラの左右の乳首からは母乳が溢れ出しています。
この溢れ出た母乳はその後、天の川になったとされています。

英語では天の川のことをthe Milky Wayと言いますが、milkという語を使っているのはこのギリシア神話に源があるのです。


6. 原題


ティントレット(Tintoretto)が描いた『天の川の起源』は英語ではThe Origin of the Milky Wayと言います。

この作品はロンドンのナショナル・ギャラリー(The National Gallery)で見ることが出来ます。





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