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セバスティアーノ・リッチ『ローマとサビニの戦い』
記事URL  カテゴリ | ローマ建国史絵画 | 2012年04月17日(火)14時14分 | 編集 |
2012年4月17日(火)


目次
1. 意外に幸せな女性たち
2. 戦争観の相違
3. 原題


今回取り上げる作品は、セバスティアーノ・リッチ作『ローマとサビニの戦い』です。

2012年4月17日セバスティアーノ・リッチ『ローマとサビニの戦い』216

1. 意外に幸せな女性たち


ロムルスによって拉致されたサビニ人の女性たちを取り戻すべく、サビニの男たちは兵を挙げます。
ローマ対サビニの戦いは、どちらも決め手を欠き、一進一退の戦況が続きました。

この戦いの中で、ローマで暮らすサビニの女性たちは、驚くような行動に出ます。
サビニの女性は、必ずしも故郷サビニの味方をしたわけではないのです。

そもそも、非人道的な行為を最初に仕掛けたのは、ローマです。

サビニの女性たちは、無理やり連れて来られたローマの社会を捨てて、サビニの社会に戻って暮らしていくのが本筋です。

拉致された後、ローマ人の男たちと結婚させられ、子供まで産んだ身だとしても、彼女たちの本拠地がサビニであることは変わりません。

ところがロムルスの懐柔策が功を奏し、サビニの女性たちはローマという社会に根を下ろし、それなりに幸せに暮らしていたのです。

ある程度、幸せを感じながら、拉致された女性たちが静かな生活を送っているところへ、サビニの男たちが女性たちを解放するために、正義の戦争を仕掛けて来ました。

両軍ともに決定打を欠くために、戦乱は思いの外、長引きます。

男達が繰り広げる無益な戦いを間近に見て、ホトホト嫌気が差したサビニの女性たちは、意を決して立ち上がりました。

イタリアの画家セバスティアーノ・リッチ(1659-1734)が描いているのは、両軍の兵士たちに戦いを止めるよう、戦場に赴いて説得しているサビニ女性たちの姿です。

サビニ女性たちは、ローマ人との間に生まれた子供を抱いて、兵士たちに無益な争いを止めるよう、懇願しているのです。


2. 戦争観の相違


男達は、戦争の勝利を一義的に願います。

戦いに臨む以上、勝つことが使命であり、たとえ自分が命を落としたとしても、最終的に自国が勝てばそれで良いという理解をした上で、戦いに赴きます。

一方、女性は戦争に関して、必ずしもそのような一義的な捉え方をしていません。

結果的に自国が戦争に勝ったとしても、自分の家族が戦死したのでは、女性にとっては、その戦争の勝利は、何の意味もないのです。

仮に自国が戦争に負けたとしても、父や夫や兄弟や息子が無事に戦地から帰還してくれれば、女性にとって最悪の事態は避けられた、ということになります。

男性の戦争観と女性の戦争観は、完全には一致しないのです。
その見解の相違が、古代ローマの時代に既に語られているということは、興味深いところです。


3. 原題


セバスティアーノ・リッチ(Sebastiano Ricci)が描いた『ローマとサビニの戦い』は、英語ではBattle of the Romans and the Sabinesと言います。

この作品は、ウィーンにあるリヒテンシュタイン美術館(Liechtenstein Museum)で見ることが出来ます。





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