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レンブラント・ハルメンス・ファン・レイン『バラムのロバ』
記事URL  カテゴリ | 旧約聖書絵画 | 2012年10月13日(土)11時48分 | 編集 |
2012年10月13日(土)


目次
1. モアブ人の王バラク
2. 動かないロバ
3. イスラエルの民を祝福する預言者バラム
4. 原題


今回取り上げる作品は、レンブラント・ハルメンス・ファン・レイン作『バラムのロバ』です。

2012年10月13日レンブラント・ハルメンス・ファン・レイン『バラムのロバ』460

1. モアブ人の王バラク


カナンの地を目指すユダヤ人は、進路途上にある各民族を軍事的に打ち負かして進むこともありました。

モアブ人の王バラクにとって周辺諸国を侵略しながら突き進むユダヤ人の存在は、自国の安全保障上、脅威の対象となっていました。

なお、モアブ人とはロトとロトの長女との間に生まれた息子モアブを先祖とする民族です。

モアブ人が誕生する経緯については、2012年6月11日(月)の記事『ヘンドリック・ホルツィウス『ロトと娘たち』 loro2012.blog』などで述べています。

王バラクは預言者バラムに使者を送り、王宮へ赴くよう命じました。

バラクは預言者バラムの霊力により迫り来るユダヤ民族に呪いをかけ、その後の戦いを有利に進めようとしたわけです。

預言者バラムは王バラクが遣わした使者を数回断りましたが、最終的には王の意向を受け入れ使者と共に王バラクの元へ赴くことにしました。


2. 動かないロバ


預言者バラムはロバに乗って王宮へ向けて出発しましたが、途中ロバは立ち止まり動かなくなってしまいました。

実は、ロバには剣を持った天使の姿が見えていたのです。

そのため恐れをなしたロバは歩みを止めたわけですが、預言者バラムにはまだ天使の姿は見えていません。

そこで、預言者バラムは動かないロバを何度も打ち付けたのです。
ロバは預言者バラムの酷い仕打ちに対して抗議の声をあげました。

ロバは今まで何度もバラムを乗せて目的地へと運んで来たこと、及びこのように立ち止まったのは初めてであることを訴えます。

預言者バラムはロバの言葉が理解出来たので、ロバの言っていることに納得し打ち付けるのを止めました。

すると、次の瞬間バラムにも天使の姿が見えたのです。

オランダの画家レンブラント(1606-1669)が描いているのは、天使の姿がまだ見えていないバラムの様子です。

バラムは苛立った表情で歩みを止めたロバを打ち付けています。

右手に剣を持った天使はバラムの後方に描かれていて、バラムがまだ天使の存在に気づいていないことが示されています。

後方にいる使者や従者たちにも、もちろん天使の姿は見えていません。

信仰心のない者には天使の姿は見えないのですね。


3. イスラエルの民を祝福する預言者バラム


バラムは剣を持った天使が行く手を遮っていることに気づきました。
そして、王バラクの元へは向かわない方が良いのではないかと天使に尋ねました。

しかし天使は条件付きで、王の元へ赴くことを許可しました。
その条件とは「神が言ったことしかしてはならない。」というものでした。

その後、ようやく王宮へと辿り着いたバラムは王バラクと接見し、早速イスラエルの民を呪うよう依頼を受けます。

ところが、祭壇を築いて託宣を受けたバラムはイスラエルを呪うのではなく、祝福する言葉を発したのでした。

つまり、バラムは王バラクの目論見とは全く逆のことをしたわけです。
なぜならそれが神の意志だったからです。

王はその後バラムに何度か託宣を受けさせました。

しかし、託宣の内容は尽(ことごと)くイスラエルを祝福するものでしたので、その都度バラムはユダヤ人を祝福する言葉を発しました。

怒った王バラクはバラムを役に立たない預言者と罵(ののし)り、即刻王宮を離れるよう命令しました。


4. 原題


レンブラント・ハルメンス・ファン・レイン(Rembrandt Harmenszoon van Rijn)が描いた『バラムのロバ』は、フランス語ではL'Ânesse de Balaamと言います。

L'Ânesseは雌ロバという意味です。
この作品はパリにあるMusée Cognacq-Jayで見ることが出来ます。





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