映画とドラマと語学、そして株式投資へ
| ホーム loro2012 |
| 投稿 |
ドメニコ・ベッカフーミ『律法の板を粉々にするモーゼ』
記事URL  カテゴリ | 旧約聖書絵画 | 2012年09月15日(土)12時24分 | 編集 |
2012年9月15日(土) 1本目


目次
1. 激怒するモーゼ
2. 原題


今回取り上げる作品は、ドメニコ・ベッカフーミ作『律法の板を粉々にするモーゼ』です。

2012年9月15日ドメニコ・ベッカフーミ『律法の板を粉々にするモーゼ』481

1. 激怒するモーゼ


イタリアの画家ドメニコ・ベッカフーミ(1486-1551)が描いているのは、2枚目の石板も投げつけて割ろうとしているモーゼの姿です。

1枚目の石板は、画面中央の岩の上で、既に壊されています。

画面向かって左に立っているモーゼは、左手に持った石板を今まさに岩に叩きつけようとしているところです。

この2枚の石板には、モーゼが神から示された十戒が刻まれていました。
この十戒を順守すれば、ユダヤ人たちは二度と奴隷に身を落とすことはないはずでした。

その尊い教えを民に知らせようと思って下山したら、民は偶像崇拝に興じて、乱痴気騒ぎをしていたわけです。

モーゼに率いられたユダヤ人は、エジプトにおける辛い奴隷生活を脱し、3ヶ月かけてシナイ山の麓までやって来ました。

彼らにとってこの荒野での3ヶ月の苦労は何だったのか、という想いがモーゼにはあったのでしょう。

さすがのモーゼも、堪忍袋の緒が切れました。

そして、神から頂いた十戒の石板を壊してしまいました。
しかし、モーゼには、このことによる神罰は降りませんでした。

この後、モーゼは神に依頼し、石板を再発行してもらうことになるのです。

指導者の孤独は、いつの時代でもある、ということですね。

画面前景の向かって右に描かれた女性は、隣に幼子を連れています。
このカナンへの道程の中で、妊娠、出産した女もいた、ということを表しているのでしょうね。


2. 原題


ドメニコ・ベッカフーミ(Domenico Beccafumi)が描いた『律法の板を粉々にするモーゼ』は、イタリア語ではMosè spezza le Tavole della Leggeと言います。

spezzare Zは、Zを粉々にする、という意味です。

le Tavole della Leggeは、律法の板、という意味で、モーゼが神から授かった十戒を刻んだ2枚の板を指します。

この作品は、イタリア中西部の街ピサのドゥオーモ(Duomo di Pisa)で見ることが出来ます。





関連記事