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レアンドロ・バッサーノ『岩を砕くモーゼ』
記事URL  カテゴリ | 旧約聖書絵画 | 2012年08月25日(土)12時39分 | 編集 |
2012年8月25日(土) 1本目


目次
1. 飲料水の確保
2. 指導者の資格
3. 迸る水
4. 原題


今回取り上げる作品は、レアンドロ・バッサーノ作『岩を砕くモーゼ』です。

2012年8月25日レアンドロ・バッサーノ『岩を砕くモーゼ』277

1. 飲料水の確保


人間は、食べ物だけでは生きてはいけません。
生存のためには、水が必要になります。

荒野を彷徨(さまよ)い続けるユダヤの民は、連日、水不足に悩まされ、喉の渇きをモーゼに訴えました。

「奴隷だった時は、食料と水には困らなかった。
こんな目に遭うのなら、奴隷の方がましだった・・・。」

ユダヤの民の言っていることは、得手勝手な言い分です。
しかし人として生きていく以上、荒野で何も飲まずに歩き続けるのは、やはり不可能です。

神に選ばれたモーゼや、後のイエスは、40日間の断食に耐えられるかも知れません。
しかし、一般のヘブライ人たちにそれを求めるのは酷です。


2. 指導者の資格


指導者というのは、人徳があるだけでは不十分です。
下々の者たちに食料と飲料水を手配することが出来ないと、指導者としては失格です。

食料や飲料水の確保は、モーゼに限らず、指導的立場にある者全てに課せられた使命なのです。

指導者というのは、有事の際にそれが出来るから、平時においては、下々の者がやっているような綺麗とは言えない仕事に従事しなくても許されるのです。

指導者と下々の者の役割りの違いは、端的に言うと、食料の確保などを含めた総合的な安全保障が出来るかどうかです。

安全保障には大別して5つの項目があります。
寒さ、食料、闇夜、動物の脅威、天変地異、この5つです。

どんな組織であれ、指導者になりたい人は、自分がこの5つの安全保障項目を実現できる人物かどうかを自問して下さい。


3. 迸る水


さて、指導者モーゼは、荒野で水を確保するために神に祈ります。
神は、モーゼに次のように命令をしました。

「岩の上に立ち、杖で岩を打ちなさい。」

モーゼが神の言う通りにすると、何と岩から水が迸(ほとばし)り出たのです。
民は大喜びで、水を飲み始めました。

エジプトを出る時に一緒に連れて来ていた動物たちも、乾きに苦しめられていました。
彼らも人間同様に、喉を潤すことが出来ました。

モーゼは、またしても奇跡を行ったのです。

レアンドロ・バッサーノ(1557-1622)の作品では、ユダヤの民と動物たちが、岩から溢れ出る水を飲んでいる様子が描かれています。

向かって左で、白馬に乗っているのがモーゼですね。
待ち望んだ水にありつけたことで、犬もロバも、安堵の表情を浮かべています。


4. 原題


レアンドロ・バッサーノ(Leandro Bassano)が制作した『岩を砕くモーゼ』は、フランス語ではMoïse brisant le rocherと言います。

briser Zは、Zを壊す、叩き割る、という意味です。
le rocherは、切り立った岩、を指します。

この作品は、ルーヴル美術館(Musée du Louvre)で見ることが出来ます。





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