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アドリアン・ファン・デル・ヴェルフ『アブラムの下へハガルを導き入れるサライ』
記事URL  カテゴリ | 旧約聖書絵画 | 2012年06月06日(水)13時08分 | 編集 |
記事のタグ: エルミタージュ美術館
2012年6月6日(水)


目次
1. 石女サライ
2. 息子誕生
3. 原題


今回取り上げる作品は、アドリアン・ファン・デル・ヴェルフ作『アブラムの下へハガルを導き入れるサライ』です。

2012年6月6日アドリアン・ファン・デル・ヴェルフ『アブラムの下へハガルを導き入れるサライ』420

1. 石女サライ


アブラムとサライの夫婦には、長い間、子供が授かりませんでした。
石女(うまずめ)であったサライは、アブラムの子孫を残す必要性を痛感します。

そこで、奴隷として使っていたエジプト人女性のハガルに、アブラムの子を産ませる決意をしました。
妻としては辛い選択だったと思われますが、ユダヤ民族の子孫繁栄のために、この道を選択します。

オランダの画家アドリアン・ファン・デル・ヴェルフ(1659-1722)が描いているのは、サライがアブラムの下へ、ハガルを連れて来ている場面です。

画面手前の、豊麗な女性がハガルです。

ハガルは、豊満な乳房を右腕で隠そうとしています。

サライが承知しているとは言え、主人であるアブラムと一緒に寝るということに対して、恥じらいを感じているわけです。

服を着たサライは、アブラムに対して、この事態に関する趣旨説明を行っているのでしょう。

つまり、アブラムがハガルの体を抱くのは、愛に基づいたものではなく、あくまでも、子を儲けることだけが目的であり、お互いの愛を確かめ合うためにセックスするわけではない、というようなことを伝えているのかも知れません。

まあ、有り体に言うと、私以外の女性を抱く場合は、心を込めた情熱的なセックスをしてはいけない、とサライは釘を刺しているのです。


2. 息子誕生


やがてアブラムとハガルの間に、一人の男の子が誕生しました。
その男の子は、イシュマエルと名付けられました。

この時、アブラムは86歳だったと『創世記』は記しています。

イシュマエルは後に、母ハガルと共に、アブラム家から追放されることになります。
そしてその後、アラブ人の祖になっていくのです。


3. 原題


アドリアン・ファン・デル・ヴェルフ(Adriaen van der Werff)が制作した『アブラムの下へハガルを導き入れるサライ』は、ロシア語ではСарра вводит Агарь к Авраамуと言います。

Сарраが、サライです。
вводить Aは、Aを連れ込む、という意味です。

Adriaen van der Werffは、ロシア語ではАдриан ван дер Верффと綴ります。

この作品は、エルミタージュ美術館(Государственный Эрмитаж)で見ることが出来ます。





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