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セバスティアーノ・リッチ『バッカスとアリアドネの結婚』
記事URL  カテゴリ | ギリシア神話絵画 | 2011年08月05日(金)11時49分 | 編集 |
2011年8月5日(金)


目次
1. 目覚めたアリアドネ
2. ディオニュソスによる愛の告白
3. 傷心のアリアドネ
4. アリアドネの結婚
5. 原題


今回取り上げる作品はセバスティアーノ・リッチ作『バッカスとアリアドネの結婚』です。

2011年8月5日セバスティアーノ・リッチ『バッカスとアリアドネの結婚』614

1. 目覚めたアリアドネ


バッカスはギリシア神話ではディオニュソスに相当します。

眠っていたアリアドネは周囲の騒がしさに気づいてようやく目を覚ましました。

隣にいる筈のテセウスや昨夜まで一緒にいたアテナイの人々は、いつの間にか姿を消していました。

また自分と同じようにクレタ島を離れ、このナクソス島へ辿り着いた妹のパイドラの姿も見当たりません。

その代わりにナクソス島の住民と思われる人々がアリアドネの周囲を取り囲み、好奇の眼差しを向けています。


2. ディオニュソスによる愛の告白


アリアドネは周囲にいる人物の中で一際(ひときわ)光り輝く高貴な雰囲気を持った男性に目を留めました。

その男性はアリアドネに近づき、自分はナクソス島の守護神・ディオニュソスであると名乗りました。

神と対面したアリアドネは身を固くして、ディオニュソスの次の言葉を待ちました。

ディオニュソスはアリアドネの柔らかな手を取り、愛の言葉を告げたのです。
突然の愛の告白に驚くアリアドネに対してディオニュソスはさらに続けます。

「テセウスがアリアドネから去ったのはアリアドネに対する愛が失せたからではない。
あくまでも私の命令に従った上での苦渋の決断だったのだ。」

テセウスに見捨てられた格好になってしまったアリアドネは初めは深く傷つきました。
しかしアリアドネはディオニュソスの話を聞き終わった後、テセウスの真意を探ろうとします。

もしアリアドネを船に乗せたらディオニュソスの呪いによってその船は難破するのです。
それが予め分かっていながらアリアドネを船に乗せる男はいないでしょう。

特にテセウスはアテナイ王子という立場です。
テセウスには従者たちの身の安全を確保する責任があります。

アリアドネはテセウスのとった行動を頭では理解することが出来ました。


3. 傷心のアリアドネ


アリアドネはナクソス島に辿り着くまでの間にテセウスから愛の言葉を聞かされていました。

捨てられた今となってもアリアドネはそれがテセウスの本心から出た言葉だったと受け止めていました。

さらにテセウスがしてくれた、たった一夜のセックスは偽りの心など微塵も感じられない情熱的なものでした。

テセウスとアリアドネが出会ってから別れるまでにはごく限られた期間しかありませんでしたが、2人の愛は心からのものでありアリアドネはテセウスの愛を心と体の両面で感じることが出来ました。

しかしそうは言ってもアリアドネの目の前に突きつけられた現実は厳しく、テセウスはアテナイへと向かいアリアドネは未知の島に一人置き去りにされているのです。

アリアドネはこの現実を受け止め、明日からも生きていかなければなりません。

そんな傷心の王女の前に、この島の守護神と名乗るディオニュソスが現れ、自分に愛を告白してくれたのです。

アリアドネはディオニュソスの愛を受け入れ結婚することにしました。


4. アリアドネの結婚


セバスティアーノ・リッチ(1659-1734)の作品において画面中央に描かれている男神はヒュメナイオスです。

ヒュメナイオスはギリシア神話において結婚式を司る神とされています。
結婚全般を司る神はヘラですが、結婚式という行事を司るのがヒュメナイオスということです。

2011年5月26日(木)の記事『ポンペオ・バトーニ『キューピッドとプシュケの結婚』 loro2012.blog』においてもヒュメナイオスが結婚式の進行役を担っていましたね。

ヒュメナイオスは顔だけを見ると女神のようにも感じられますが男神です。

ヒュメナイオスの特徴は、頭に花輪をつけて松明(たいまつ)を持っていることです。
リッチもヒュメナイオスの右手に松明を持たせていますね。

ヒュメナイオスは幸せ一杯とは言えない表情を浮かべるアリアドネを心配そうに見つめています。

画面上方で宙を舞いアリアドネの頭に星の冠を被せようとしているのはプットです。
プット(putto)とはイタリア語の美術用語で裸の子供を意味します。

リッチは蝶の羽をつけた姿でプットを描いていますね。
プットはエロスに外見が似ていますが別の存在です。

こうしてディオニュソスとアリアドネは晴れて結婚しました。

しかしアリアドネはディオニュソスと結婚した後もテセウスのことを忘れることが出来なかったと言われています。

祖国を捨ててまでテセウスについて来たアリアドネの女心は別の男と結婚しても変わらなかったわけです。

たとえその夫が神であるディオニュソスであっても、テセウスとの束の間の恋はアリアドネの心に深く刻まれて生涯消え去ることはありませんでした。


5. 原題


セバスティアーノ・リッチ(Sebastiano Ricci)が制作した『バッカスとアリアドネの結婚』は英語ではBacchus and Ariadneと言います。

この作品はロンドン南西部にあるChiswick Houseで見ることが出来ます。





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