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ピーテル・パウル・ルーベンス『我が子を喰らうサトゥルヌス』
記事URL  カテゴリ | その他絵画 | 2011年03月10日(木)15時02分 | 編集 |
記事のタグ: プラド美術館
2011年3月10日


目次
1. ウラノスの予言
2. 故国フランドルの投影
3. 原題


『我が子を喰らうサトゥルヌス』については、2010年11月23日(火)の記事『フランシスコ・デ・ゴヤ『我が子を喰らうサトゥルヌス』 loro2012.blog.fc2.com』で、ゴヤ(1746-1828)の描いた同名の作品を取り上げたことがあります。

今日は同じ主題で、ピーテル・パウル・ルーベンスの作品を取り上げます。

2011年3月10日ピーテル・パウル・ルーベンス『我が子を喰らうサトゥルヌス』710

1. ウラノスの予言


サトゥルヌスは、ギリシア神話ではクロノスに相当します。

ガイアは夫ウラノスがキュクロプス族とヘカトンケイル族をタルタロスへ送り込んでいることを知り、激怒します。

ウラノスへの敵意を抱いた妻ガイアは、ティタン族12神の末弟クロノスに命じてウラノスを殺害させました。

クロノスはウラノスの子供です。
息子による父親殺しが、母の命令により実現してしまったわけです。

ウラノスは、死ぬ間際にクロノスに不吉な予言を残しました。

「お前も私同様、子供に殺されるであろう。」

クロノスはこの後、父ウラノスから聞かされたこの言葉に悩まされ続けることになります。

クロノスは、ティタン族12神の内の一柱(ひとはしら)であるレアと結婚していました。
そして二人の間には、ヘラやハデスなど多くの子供が誕生してきます。

系譜を示します。

ウラノス→クロノス→ヘラ


クロノスは、妻レアが生んだ子供たちを次々に飲み込んでいきます。

自らの体内に子供たちを飲み込んでしまえば、子供によって殺されることはないと考えたわけですね。
飲み込まれた子供は、長女ヘスティア、デメテル、ヘラ、長男ハデス、次男ポセイドンです。


2. 故国フランドルの投影


ルーベンス(1577-1640)が描いているのは、泣き叫ぶわが子の胸部にかぶり付いているクロノスの姿です。

この子を生かしておけば自分が将来殺されるであろうという妄想から、このような蛮行に及んでいるわけです。

クロノスが老齢に差し掛かっていることは、白髪や髭から窺(うかが)い知れます。

しかしその割には肩・腕・脚の筋肉は衰えることを知らず、悲劇を生み出す要因になってしまっているのです。

大地を踏みしめる巨人に捕まり無抵抗のまま殺されて行く幼子は、オランダと争いスペインには支配される故国フランドルの弱い姿を表現しているのかも知れません。


3. 原題


ピーテル・パウル・ルーベンス(Peter Paul Rubens)が描いた『我が子を喰らうサトゥルヌス』は、スペイン語ではSaturno devorando a un hijoと言います。

un hijoは一人の息子という意味です。
devorar Zは、Zを貪(むさぼ)るという意味です。

この題名では現在分詞のdevorandoが使われていますので、「息子を貪っているサトゥルヌス」と訳すことが出来ますね。

この作品はプラド美術館(Museo Nacional del Prado)に所蔵されています。





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