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ティツィアーノ・ヴェチェッリオ『田園の合奏』
記事URL  カテゴリ | その他絵画 | 2010年10月11日(月)13時43分 | 編集 |
記事のタグ: ルーヴル美術館
2010年10月11日(月)


目次
1. ティツィアーノの影響
2. 原題


今回取り上げる作品は、ティツィアーノ・ヴェチェッリオ作『田園の合奏』です。

2010年10月11日ティツィアーノ・ヴェチェッリオ『田園の合奏』1 270

1. ティツィアーノの影響


エドゥアール・マネの『草上の昼食』の後景に描かれた森林は、ティツィアーノ・ヴェチェッリオの『田園の合奏』を参考にしたのではないかと言われています。

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1509年頃に制作された『田園の合奏』が世間から「芸術」として認められているのは、描かれている裸体が音楽の女神ミューズであると認識出来るからです。

女性の裸体を描く場合には、神話や聖書に題材を求めることがヨーロッパ絵画界の決まりごととなっていました。

マネ(1832-1883)の作品もティツィアーノ(1490頃-1576)の作品も、女性の裸体を描いているという点では全く同じです。

しかし、ティツィアーノの作品が批判されないのは、この女性たちが女神だからです。

たとえ艶めかしい熟れた肉体を露(あらわ)にしていたとしても、この女性たちは市井(しせい)の女性ではありません。

ティツィアーノは現実の女性の裸体を描いたわけではないので、社会通念としては許容範囲にあるわけです。

まあ、現代に生きる私たちの感覚からすると、そこまで線引きをする必要はないのではないかと思いますよね。

しかし、この当時の美術界を取り仕切っていた重鎮たちや、彼らに阿(おもね)る批評家たちは、30歳を過ぎたばかりのマネの感性を決して認めようとはしませんでした。

しかしその一方で、批判に晒されたマネを擁護する動きも見られました。
間もなく時代は、印象派様式の確立へと大きく変貌していきます。

現代ではマネの『草上の昼食』を見て、殊更(ことさら)に不謹慎だと声をあげる人はあまりいないだろうと思われます。


2. 原題


イタリアの画家ティツィアーノ・ヴェチェッリオ(Tiziano Vecellio)が描いた『田園の合奏』は、イタリア語ではConcerto campestreと言います。

il concertoは、音楽会、campestreは形容詞で、田園的な~、という意味です。

フランス語の題名は、Le Concert champêtreと言います。
champêtreは形容詞で、田園の~、という意味です。

この作品は、ルーヴル美術館(Musée du Louvre)に所蔵されています。

なお、『田園の合奏』は元々はジョルジョーネ(1478-1510)が手掛けた作品であり、彼の死後、弟(おとうと)弟子に当たるティツィアーノ(1490頃-1576)が制作を引き継いで完成させたと見る専門家も多いです。




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