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ホーファールト・フリンク『ヤコブを祝福するイサク』
記事URL  カテゴリ | 旧約聖書絵画 | 2012年06月22日(金)13時51分 | 編集 |
2012年6月22日(金)


目次
1. 視力が低下するイサク
2. 欺かれたイサク
3. 原題


今回取り上げる作品は、ホーファールト・フリンク作『ヤコブを祝福するイサク』です。

2012年6月22日ホーファールト・フリンク『ヤコブを祝福するイサク』270

1. 視力が低下するイサク


エサウとヤコブの兄弟の間では、長子権の受け渡しが約束されました。
しかし、父イサクは既定方針通り、長男のエサウに跡を継がせるつもりでいます。

ヤコブを愛していた母レベッカは、何とかしてヤコブへの長子権移譲を、夫イサクに認めさせなければなりません。

兄弟間での口約束があるとはいえ、決定権者であるイサクに対して、何も働きかけをしなければ、原則としては、長男のエサウが家督を継ぐことになるからです。

レンズマメ事件から、数年が経過しました。

年老いたイサクは、老衰で目がかすみ、物の見分けがつかなくなっていました。
双子の息子たちの姿さえも、目で確認することは容易ではなくなっていたのです。

こうした健康状態の中で、イサクは跡取りの話に決着をつけるため、長男のエサウを枕元に呼び、次のように言いました。

「まずは、野原で獲物を捕り、私に料理を作って欲しい。その後で、お前に財産を相続させる。」


エサウは父の命に従い、弓矢を取って野原へと駆け出しました。
弟ヤコブと数年前に交わした口約束など、反故(ほご)にする腹づもりです。

夫と長男のやりとりを聞いていたリベカは、一計を案じます。

そして、イサクに出す料理をリベカが作り、ヤコブに持って行かせることにしました。
その際に、ヤコブの両腕には子ヤギの毛皮を巻きつけたのです。

こうしてヤコブは、エサウになりすまして父の元へと向かったのでした。


2. 欺かれたイサク


ヤコブに食事を届けてもらったイサクは、相手がエサウだと信じ込んでいます。
イサクは満足気にぶどう酒を飲みながら、食事を楽しみました。

そして、床に入ったイサクは息子を傍に呼び、相続の話を切り出しました。
イサクは、そばに来た子供は長男のエサウだと勘違いしています。

イサクは目が見えないので、長男かどうかを確認するために息子の手に触ると、毛皮のような肌触りです。

このことにより、イサクは今ここにいる子どもが、エサウだと確信しました。

生まれながらに毛皮のような手をしていたのは、兄のエサウでしたね。

そして、イサクは、エサウになりすましたヤコブに向かって相続権を与えることを宣言し、祝福したのです。

ホーファールト・フリンク(1615-1660)の作品では、目の見えないイサクが、ヤコブの左手を握っている姿が描かれています。

そして、右手をヤコブの頭にかざし、祝福を与えているのです。
イサクは相手がエサウだと思っていますし、妻のリベカも今ここにいるのはエサウだと言っています。

リベカとヤコブの作戦勝ちですね。
エサウは欠席裁判で、正式に長子権を失いました。

全てのことが終わった後で、エサウは狩りから戻りました。
エサウは、弟ヤコブの騙し討ちのようなやり方を非難します。

しかし、もはや時既に遅し・・・。
この後、エサウはヤコブに対して、殺意を抱くようになります。

続きます。


3. 原題


ホーファールト・フリンク(Govert Flinck)が制作した『ヤコブを祝福するイサク』は、英語ではIsaac Blessing Jacobと言います。

この作品は、アムステルダム国立美術館(Rijksmuseum Amsterdam)で見ることが出来ます。





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