2011年5月22日(日)
目次
1. プシュケの姉達
2. 姉達による唆し
3. 男性の正体
4. 原題
今回取り上げる作品は、ジャン・オノレ・フラゴナール作『キューピッドからの贈り物を姉達に見せるプシュケ』です。

1. プシュケの姉達
会話の相手を望んだプシュケは、西風の神ゼピュロスに依頼して姉二人を宮殿まで運んでもらいました。
姉達は怪物によってプシュケが拐(さら)われて、もう既に殺されていると思っていました。
ところが、プシュケは夢のような宮殿で幸せに暮らしていたのです。
地上では手に入らないような装飾品や衣装に囲まれて、何不自由ない生活をプシュケは送っていました。
フランスの画家ジャン・オノレ・フラゴナール(1732-1806)は、プシュケと姉達の様子を描いています。
画面中央で白い服を着て座っているのがプシュケです。
姉二人はその向かって左で立っています。
プシュケの世話係が示す衣装や宝石類に興味津々の面持ちですね。
姉二人は次第に妹プシュケに対して嫉妬心を抱くようになりました。
いくら周囲に話し相手がいないとは言え、プシュケは衣食住に事欠かない生活をしています。
そして、物質面で何ら不足がないだけでなく愛情を込めて抱いてくれる男性までいるのです。
しかもその男性からの愛撫は一日も休むことなく毎晩続いていると聞かされました。
プシュケの性欲は毎晩満たされ心身ともに充実している様子が明らかです。
姉二人にとって女としての幸せを全て手に入れたプシュケは憎しみの対象となっていくのです。
画面上部の左に描かれているのは不和と争いの女神エリスです。
エリスの頭髪は蛇と化し左手に握っているのも蛇ですね。
蛇というのは嫉妬や憎しみの象徴として描かれることが多いです。
2. 姉達による唆(そそのか)し
姉達は姿を見せない男性を怪物と決めつけます。
そして、いずれプシュケを殺害するだろうと予言しました。
そうなる前に短剣で相手の男を殺してしまいなさいと嗾(けしか)けます。
プシュケは男性からの愛の言葉を信じていました。
しかし、姿を見せないことに対しては不信感を募らせていました。
姉達に煽られてプシュケは戒めを破ってしまうのです。
3. 男性の正体
ある夜、エロスはいつものようにプシュケとセックスした後、プシュケの髪を撫でながら深い眠りにつきました。
プシュケはエロスが眠っていることを確認した後、そっと起き出しました。
そして蝋燭に火を点けて男性の体を照らしてみたのです。
床に横たわっていたのはエロスでした。
毎晩自分を抱いてくれていたのはあのエロスだったのです。
動揺したプシュケは持っていた燭台から蝋を零(こぼ)してしまいました。
そして、その蝋がエロスの体に落ちてしまったのです。
熱さで飛び起きたエロスは瞬時に事態を把握します。
愛の言葉を信じられず裏切ったプシュケに対して、エロスは背中を向けて立ち去ってしまいました。
4. 原題
ジャン・オノレ・フラゴナール(Jean Honoré Fragonard)が描いた『キューピッドからの贈り物を姉達に見せるプシュケ』は、英語ではPsyche showing her Sisters her Gifts from Cupidと言います。
この作品は、ロンドンのナショナル・ギャラリー(The National Gallery, Trafalgar Square, London)で見ることが出来ます。
目次
1. プシュケの姉達
2. 姉達による唆し
3. 男性の正体
4. 原題
今回取り上げる作品は、ジャン・オノレ・フラゴナール作『キューピッドからの贈り物を姉達に見せるプシュケ』です。

1. プシュケの姉達
会話の相手を望んだプシュケは、西風の神ゼピュロスに依頼して姉二人を宮殿まで運んでもらいました。
姉達は怪物によってプシュケが拐(さら)われて、もう既に殺されていると思っていました。
ところが、プシュケは夢のような宮殿で幸せに暮らしていたのです。
地上では手に入らないような装飾品や衣装に囲まれて、何不自由ない生活をプシュケは送っていました。
フランスの画家ジャン・オノレ・フラゴナール(1732-1806)は、プシュケと姉達の様子を描いています。
画面中央で白い服を着て座っているのがプシュケです。
姉二人はその向かって左で立っています。
プシュケの世話係が示す衣装や宝石類に興味津々の面持ちですね。
姉二人は次第に妹プシュケに対して嫉妬心を抱くようになりました。
いくら周囲に話し相手がいないとは言え、プシュケは衣食住に事欠かない生活をしています。
そして、物質面で何ら不足がないだけでなく愛情を込めて抱いてくれる男性までいるのです。
しかもその男性からの愛撫は一日も休むことなく毎晩続いていると聞かされました。
プシュケの性欲は毎晩満たされ心身ともに充実している様子が明らかです。
姉二人にとって女としての幸せを全て手に入れたプシュケは憎しみの対象となっていくのです。
画面上部の左に描かれているのは不和と争いの女神エリスです。
エリスの頭髪は蛇と化し左手に握っているのも蛇ですね。
蛇というのは嫉妬や憎しみの象徴として描かれることが多いです。
2. 姉達による唆(そそのか)し
姉達は姿を見せない男性を怪物と決めつけます。
そして、いずれプシュケを殺害するだろうと予言しました。
そうなる前に短剣で相手の男を殺してしまいなさいと嗾(けしか)けます。
プシュケは男性からの愛の言葉を信じていました。
しかし、姿を見せないことに対しては不信感を募らせていました。
姉達に煽られてプシュケは戒めを破ってしまうのです。
3. 男性の正体
ある夜、エロスはいつものようにプシュケとセックスした後、プシュケの髪を撫でながら深い眠りにつきました。
プシュケはエロスが眠っていることを確認した後、そっと起き出しました。
そして蝋燭に火を点けて男性の体を照らしてみたのです。
床に横たわっていたのはエロスでした。
毎晩自分を抱いてくれていたのはあのエロスだったのです。
動揺したプシュケは持っていた燭台から蝋を零(こぼ)してしまいました。
そして、その蝋がエロスの体に落ちてしまったのです。
熱さで飛び起きたエロスは瞬時に事態を把握します。
愛の言葉を信じられず裏切ったプシュケに対して、エロスは背中を向けて立ち去ってしまいました。
4. 原題
ジャン・オノレ・フラゴナール(Jean Honoré Fragonard)が描いた『キューピッドからの贈り物を姉達に見せるプシュケ』は、英語ではPsyche showing her Sisters her Gifts from Cupidと言います。
この作品は、ロンドンのナショナル・ギャラリー(The National Gallery, Trafalgar Square, London)で見ることが出来ます。
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2011/05/22(日) 13:37 | このエントリーのカテゴリ ギリシア神話絵画 |
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