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アルブレヒト・アルトドルファー『ロトと娘たち』
記事URL  カテゴリ | 旧約聖書絵画 | 2012年06月12日(火)16時11分 | 編集 |
記事のタグ: 美術史美術館
2012年6月12日(火)


目次
1. 語り継がれる性行為
2. 洞窟での連続射精
3. 原題


今回取り上げる作品はアルブレヒト・アルトドルファー作『ロトと娘たち』です。

2012年6月12日アルブレヒト・アルトドルファー『ロトと娘たち』 195

1. 語り継がれる性行為


旧約聖書『創世記』の物語を知らずにこの絵画を見ると、何だか好色な老人が若い女性を金と権力で我が物にしているという印象を受けますよね。

ドイツの画家アルブレヒト・アルトドルファー(1480頃-1538)が題材としたのは、そのような好色爺さんの話ではありません。

若い女性の柔らかい腕を抱いて、満足気な笑みを浮かべている男性はアブラハムの甥ロトです。
ニヤけた顔のロトの下腹部に腰を下ろし、勃起した男根を臀部で感じている女性はロトの長女です。

この絵画は父と娘の近親相姦を描いたものなのです。

現代の感覚からすればとても尋常な行為とは言えないのですが、旧約聖書の筆者はこの破廉恥な話を隠蔽すること無く載せています。

さらに言えば、その後何千年にも渡ってこの近親相姦の話はユダヤ民族及び日本人のような異民族にも語り継がれて来たわけです。

このふしだらな逸話を「聖書」から削除することは出来たと思うのですが、ユダヤの人々はそうはしなかったわけですね。

それにはちゃんと理由があるのです。
それは次回の作品(loro2012.blog)でお話します。


2. 洞窟での連続射精


アルトドルファーの作品において長女が左手にワイングラスを持っているのは、先ほどまでロトと一緒に酒を飲んでいたことを表しているわけですね。

姉妹で協力して父に酒を勧めて酔わせロトが理性を失った頃を見計らって女の色香を武器に擦り寄り、父親のペニスを勃起させてこれから姉が性行為に及ぼうとしているところです。

画面後景には左手を頭に載せた裸の女性が1人描かれていますよね。
これがロトの次女なんです。

妹は姉に順番を譲り、後方で待機しているわけですね。

姉妹の立場を擁護するならば、彼女たちは性欲を我慢し切れずに父親とのセックスに臨んでいるわけではありません。

セックスの目的は性的快楽を得ることではなく子孫繁栄です。

自分たちの子孫を残すにはこの方法しかないという結論に至り、父親を騙すような形でセックスにこぎつけたのです。

毎日こんな「酒作戦」を繰り返すことは出来ませんので、妊娠するためにはこの瞬間が勝負なのです。

一方ロトはこの老体で酩酊していながらも、娘たちの期待に応えてちゃんと勃起します。
しかも2人の娘を立て続けに相手にして連続射精を果たそうとしているわけです。

まあ、普通の男には連続射精などという芸当はまず無理ですね。

恐るべし、ロト・・・。

この後、月満ちて2人の娘は首尾よくそれぞれ男の子を生みました。

旧約聖書は長女の息子がモアブ人の祖となり、次女の息子がアモン人の祖となったと記しています。

現代ではモアブ人及びアモン人と呼ばれる民族はいないとされています。
ただ、考古学上ではその実在を唱える学説もあります。


3. 原題


アルブレヒト・アルトドルファー(Albrecht Altdorfer)が制作した『ロトと娘たち』はドイツ語ではLot und seine Töchterと言います。

seinは彼の~という意味です。
die Tochter(単数形1格)の語義は娘です。

ここでは複数形1格で表されているのでseine Töchter(彼の娘たち)となっています。

この作品はウィーンにある美術史美術館(Kunsthistorisches Museum)に所蔵されています。





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